作品紹介

多くの利用客でごった返すターミナル駅では、たくさんの人たちが働いています。私たちは、彼らのおかげで通学・出勤したり、自分の行きたい場所に向かうことができるのです。人口超過密都市・東京で、今日のように大量の利用者が円滑に移動できるのは、その巨大な輸送システムが正しく機能しているから。その輸送システムを担うのは、運転士・車掌・駅係員、警備員や清掃員、技術者や作業員など様々な労働者たちです。 何気なく駅を通過するとき、私たちはそんな彼らの存在をどれくらい意識しているでしょうか。ロンドン、エジンバラに引き続きPassage Tells Projectシリーズ3作目 となる本作品では、 普段はあまり意識しない、巨大な駅・渋谷を支える労働者のナラティブに焦点を当てます。

渋谷駅のインフォメーションセンターで借りたヘッドフォンをつけて駅構内を歩くと、駅で働く人たちの様々な語りや、駅の音が聞こえてきます。当事者の肉声による語りという、新たな視点からいつもの通路を見るとき、そこには日常通り過ぎる駅とは、少し違う風景が見えてくるはずです。